猫背のテレビジョン

キー局が見られるので東京から離れたくありません(やや誇張)

「R-1ぐらんぷり 2015」が思いがけず面白かった

R-1ぐらんぷり 2015見ました。
いやー、今年は面白かった! 久々に何度も見返してしまいました。
 
例年R-1は、キングオブコントTHE MANZAIと違って、割と平熱で見られる賞レースと言いますか、この2つと違って大して期待してないんです。そう言いつつ、毎年見てますけど。

例年期待してない理由

大して期待してなかった理由は2つ。
 

審査がどうも微妙に感じる

他の2つは割と審査にガチな感じがあるというか、予選の観覧に行った方の評判と勝ち残った芸人の顔ぶれがそこそこ合致してる感があるのだけど、R-1はどうもその辺りにズレを感じることが多々あり。こればかりは実際に予選を見に行ってみないと断言できない話なんですけど、去年THE MANZAIの本戦サーキット見に行った身としては、なんか特殊な感じがするなと。
 
特に今年の3回戦で、明らかにその日一番のウケをかっさらっていたと思われる芸人が落ち、微妙な結果に思われた芸人が残るという結果があったようで、その辺りの言及がTwitterで散見された感があります。
ファイナリストの顔ぶれはそれなりに期待が持てる面々だったけど、何故コンビの片割れがピンとして出場してんのかな感はいなめず、どうにも人選に首をひねる場面があり。
 

演出全般

もう1つは、これは単純に好き嫌いの話だと思うのですが、音楽といい、テロップの出し方といい、スタジオのセットといい、垢抜けない。というか、ダサい。
その辺が気になって、個人的にどうも乗りきれない。
 
……そんなことを思いつつ、過去には、ほっしゃん。博多華丸、ブレイク前のバカリズム等々を輩出し、個人的には11年チャンピョンの佐久間一行を発掘したという功績もあり、なんやかんやで見逃せない大会でもあるわけです。
 

思いがけず良かったR-1 2015

で、今年見た感想なんですが、………思いがけずとても良い大会でした。
 
とにかく最終決戦に残った3人のネタがどれもめちゃめちゃ面白かった!
過去の大会との比較は上手くできないけど、録画してたのを何度も見返すくらいの強度があるネタが見られたのは凄く良かったなーと。
 
審査員が5人に減り、代わりに視聴者投票の比重があがったせいなのか、敗者復活枠が3つもあることで展開が読みにくくなったから、……なのかは良く分からないですが、「何故この人がファイナリストなの?」的な芸人にことごとく票が集まらず、評価されるべき人がそれなりに評価されいた印象。
厚切りジェイソンやあばれる君エハラマサヒロはもうちょっと票が入って良かったなとは思うけど。
 
最終決戦に残った3人中2人が全くの無名という点も、埋もれていた才能を発掘したという意味で意義があったし、じゅんいちダビットソンは既にそこそこブレイクしているので、ここ数年の「R-1で優勝しても、全くもって売れる気配がない」みたいなジンクスも払拭してくれそう。
 
そんな訳で、前述の「1つ目の問題」は、決勝の段階である程度解消されていたように感じた訳ですが、「2つ目の問題」に関してはより大きな進展があったように思います。

「煽りVTRが悲壮感漂わせ過ぎ問題」

それは、毎回CGで出てくる金剛像っぽいキャラクターの廃止と殆どのジングル・BGMが総取っ替えになったこと。残ってたのはCM入り前の「BE MY BABY」とネタ終わりのジングルくらい。特に後者は、他の賞レースが抱えている問題を解消するキッカケを作ったんじゃないかと思うほど。
 
それは去年のキングオブコントTHE MANZAI終了後に何かと指摘されていた、ネタ前の芸人紹介のVTRの演出に関する問題。
 
具体的には去年のTHE MANZAI王者、博多華丸大吉の大吉先生が、優勝直後の「たまむすび」でのこの発言で、一部のお笑いファンに知られることとなったと思います。


博多大吉、『THE MANZAI』優勝の勝因を語る。「決勝に行けると思っていなかった」 - エキサイトニュース

また、優勝の秘訣として挙げたのが「出演者のあおりVTR」。芸人がネタを披露する前に自身を紹介するVTRを流すのだが、このVTRで成功したのは、ゆるいVTRを流した華丸・大吉トレンディエンジェル、そしてそもそもVTRがない三拍子だという。その他の出場者は本来のネタとは違うシリアスなVTRに観客が緊張してしまい、素直にネタを受け止められなかったのではないかと冷静に分析した。
また、同時期?(たぶん)に「怒り新党」で有吉が言及したことで、より注目されることとなったと思います。
 
そんな言及が続いたこともあり、個人的に「来年の賞レースはここにメスを入れてくるかどうか」を気にしていた訳ですが。

選曲とデザインテイスト変更による解決?

で、今回の R-1。芸人紹介のBGMはこれでした。
 
まあノリがいい、明るい、カッコイイ。悲壮感や壮大さはもはやゼロ。
VTRの中では相変わらず、バイト暮らしや結婚式が挙げられない等々のエピソードが映し出されてましたが、BGMのせいか妙に前向きな印象に。
テロップのデザインなんかも、全体的にポップな明るい色調に。逆にR-1のロゴが浮いて見える感じはあったけど、このあたりも視聴者の心理的に影響したのか、変に煽りのVTRを引きずらずにネタに集中できた感じがありました。
 
他の賞レースが追随するか分かりませんが、去年の終わりから指摘されてた問題の一つの解決策を見出したという意味でも、今回のR-1はすごく良かったんじゃないかなと、……………そう思いますね!(急にじゅんいちダビットソンっぽい締め)